津波警報が来た時の正しい対処法とは?
日本は世界でも有数の地震大国。特に沿岸部では「津波警報」が発令されることも珍しくありません。一瞬の判断が生死を分けると言われる津波。今回は、津波警報が来た時に取るべき行動を、東日本大震災などの実例をもとに解説します。
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東日本大震災で明らかになった「逃げ遅れ」の危険性
2011年3月11日に発生した東日本大震災では、死者・行方不明者あわせて1万8千人以上が犠牲となりました。その中で、津波による死者が全体の9割近くを占めています。特に、津波警報が出てからの「初動の遅れ」が悲劇を生みました。
【教訓】
津波警報が出たら、迷わずすぐに高台へ避難。
“てんでんこ”(=各自が自分の判断で逃げる)が大切です。
【保存版】津波警報時の行動マニュアル
- 地震後、すぐに津波情報を確認(テレビ・ラジオ・スマホの緊急速報)
- 津波警報・大津波警報が出たら直ちに避難開始
- 避難場所は海抜10m以上の高台か指定避難所
- 持ち物は最低限(貴重品・スマホ・飲料水・懐中電灯など)
- 車ではなく徒歩で避難(渋滞で逃げ遅れる可能性が高いため)
- 避難後も第2波・第3波に警戒(津波は繰り返し来る)
- 避難が完了するまで絶対に海や川に近づかない
事前に備える!津波に強い家庭のチェックリスト
- ハザードマップで自宅周辺の津波リスクを確認
- 家族で避難場所と避難経路を話し合う
- 避難用リュックを玄関近くに準備
- 近所や学校、職場の避難ルールを把握
- 防災アプリ(Yahoo!防災速報など)をスマホに入れておく
津波に関するよくある質問(Q&A)
- Q:津波警報が解除されたら帰宅していい?
- A:解除後も余震や再度の津波の恐れがあります。行政の指示があるまでは避難を続けましょう。
- Q:夜間に津波警報が出たらどうする?
- A:真っ暗でもすぐに避難を。懐中電灯は必須アイテムです。
- Q:津波はどれくらいの速さで来るの?
- A:時速30~50km(新幹線並み)で到達することもあり、猶予はわずか数分です。

カムチャッカ半島付近地震と東日本大震災の津波比較
✅ 東日本大震災 津波の最大波高(観測された数値)
| 地点 | 観測された最大津波の高さ | 備考 |
|---|---|---|
| 宮城県綿貫(気仙沼市) | 約40.1メートル | 国土地理院の現地調査に基づく最大推定 |
| 岩手県大船渡市綾里 | 約38.9メートル | 過去最大級の津波(明治三陸地震の記録を上回る) |
| 福島県相馬市周辺 | 約9~10メートル | 一部で堤防を越えて内陸2~5km浸水 |
| 宮城県仙台市若林区 | 約10メートル(推定) | 平野部を10km以上遡上 |
午前11時ごろに津波が到達した際には30cm~50cmほどでしたが、その後も津波は続き、高さを増していきました。
🌀 津波の特徴(東日本大震災で確認されたこと)
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津波は複数回(2〜3回以上)繰り返し襲来し、2波目や3波目が最も大きかった場所もあります。
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平野部では津波が内陸数キロまで到達。特に仙台平野では、最長で10kmも浸水域が広がりました。
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多くの場所で想定を超える高さ・速度の津波が観測されました。
⚠️ 補足:津波の高さに関する用語の違い
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 波高(はこう) | 波の高さ(海面の上下の差)。観測所の計器で計測される。 |
| 遡上高(そじょうこう) | 津波が陸上を登った最も高い地点の高さ(崖や斜面を含む)。 |
| 浸水深(しんすいしん) | 陸地で水に浸かった深さ。 |
「40.1メートル」は遡上高のことで、**“津波がどこまで登ったか”**を示しています。
✅ 出典元・参考資料
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国土地理院「東北地方太平洋沖地震 津波の遡上高調査結果」
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気象庁「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震による津波の観測」
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内閣府 防災担当「災害教訓の継承に関する専門調査会報告書」
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東北大学 災害科学国際研究所 各種論文資料
最後に:命を守るのは「情報」と「行動」
津波は予測が難しく、一度襲来するとすべてを飲み込む力を持っています。大切なのは、ためらわずに「すぐ逃げる」こと。そして日ごろの備えが家族の命を守ります。
この記事を通じて、少しでも多くの方が「自分ごと」として防災を考えるきっかけになれば幸いです。
(参考:内閣府防災情報/気象庁/東日本大震災に関する政府調査報告書)